~アジア大での統合的な情報システム基盤整備に向けた課題と展望~
2009年3月4日に、シンガポールリージェントホテルでシンガポール日本商工会議所より、日系企業の皆様を対象に、「アジアビジネスで勝ち抜くIT戦略」と題した三月度会員講演会を開催致しました。
アジア地域の成長を受け、拡大の一途をたどってきた日本企業の中国・アジア事業は、昨今の金融危機の影響による需要減退、人件費の高騰や外資政策の転換、地場企業との競争激化など、大きな変化に直面しています。
一方、日本国内でのJSOX法の施行によるコーポレートガバナンス、内部統制強化の流れが強まってきており、その結果としてアジア地域に進出している日本企業の拠点においても、シンガポール拠点を地域統括会社として明確に位置付ける等、制度強化への対応体制の構築が急がれています。特に東アジア方面においては、多様な商習慣、制度を持つことから、域内の統合的なマネジメントに係る標準化や、オペレーションを遂行する業務プロセスや事業ネットワークを本格的に整備すべき時期に来ていると考えております。
このような状況においては、アジア域内およびグローバルでのマネジメント品質を向上させるため、企業や国の枠を超え、アジア大での統合的な情報システム基盤(例えばサプライチェーンマネジメントやERP活用など)整備の必要性が、ますます高まってきていると考えております。
当セミナーでは、現状のアジア地域における事業環境をはじめとして、アジア地域のビジネスで勝ち抜くためのIT戦略の考え方や、各種ソリューションについてご説明いたしました。
また、今回のセミナーでは2008年 4月より三菱商事と野村総合研究所が共同で進めております、アジア地域での“システム構築コンサルティングから情報システム構築、運用までの一貫サービス”の展開についても紹介致しました。
■プログラム
1、高品質な地域統括を実現するための情報化戦略:60分
(NRI産業ITマネジメントコンサルティング部長 浦松博介)
2、SCM高度化、アジア業務の見える化:40分
(NRI北京 上海分公司副総経理 安田範仁)
3、中国・アジア事業展開におけるITガバナンスの潮流:40分 (iVision上海営業統括部長 高橋慶)
■写真
講演会会場全景